会社から「VERSANTで47点以上」のように指定されたとき、その数字が一体どのくらいのレベルなのか、ピンとこない人がほとんどだと思います。ここではスコアの仕組みと、企業がよく設定する基準ラインの目安を整理します。
まず確認:新スコア(GSE)か旧スコアか
ピアソン・ジャパンが2023年10月31日付の公式プレスリリースで発表した通り、2024年1月15日に発売された新テスト「Versant English Speaking and Listening Test」以降、スコアは**GSE(Global Scale of English、10〜90点)**で表示されるようになっています(旧Speaking Testは2024年9月に販売終了)。以前のVERSANTスコア(20〜80点、Sentence Mastery・Vocabulary・Fluency・Pronunciationの4指標をもとに算出)で書かれた記事や社内資料も今なお出回っているため、まず自分に提示された基準がどちらの尺度かを確認してください。人事や上司が古い基準のまま数字だけ伝えているケースもあります。
GSEスコアとCEFRの対応関係
GSEはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠、A1〜C2の6段階)と対応づけられており、Pearson社の公式資料では次のように対応しています。
- GSE 10〜29 ≒ CEFR A1
- GSE 30〜42 ≒ CEFR A2
- GSE 43〜58 ≒ CEFR B1
- GSE 59〜75 ≒ CEFR B2
- GSE 76〜84 ≒ CEFR C1
- GSE 85〜90 ≒ CEFR C2
企業がよく設定する基準ラインの意味
VERSANTの旧販売元だった日本経済新聞社は、2019年5月14日のプレスリリース「TOEIC800点以上でも4割が英語スピーキング力に課題」の中で、旧スコア(20〜80点)時代の目安として「海外赴任の目安」「英語でビジネスをするために必要」な水準を47点以上としていました。現行のGSEスケールでCEFR B1の下限にあたる43点が、対策スクール系のメディアで「企業が海外赴任のボトムラインとして設定しがちなスコア」として紹介されることがありますが、これは各社の公式な採用・赴任基準として開示された数字ではなく、旧スコア47点を新スケールに読み替えた目安である可能性が高い点に注意してください。個別企業の基準は原則非公開であり、横断的な公式データは確認できていません。
とはいえ、43〜47点前後(CEFR B1相当)が「日常生活や簡単な業務のやり取りに支障はないが、複雑な交渉や専門的な議論には準備が必要」というレベル感の目安になること自体は妥当です。TOEIC L&Rでいうと700〜800点台の人が受験時に「思ったより苦戦する」と感じやすいのが、まさにこの帯です(理由はTOEIC800でもVERSANTが難しい理由を参照)。
一方、駐在員や海外営業の責任者クラスに求められるのはCEFR B2以上(GSE59点〜)のラインで、日常会話に加えて、意見を論理立てて説明できることが求められます。
日本人受験者のスコア傾向
日本経済新聞社の同プレスリリースでは、2018年3月までの1年間に国内でモニター等として受験した約3,500人分のデータ(2018年度リポート)をもとに、「VERSANT総合スコアの平均は43.9点で、日本人平均を6点近く上回る」と分析していました。逆算すると、当時の日本人受験者の平均は旧スコアで約38点程度だったことになります。
ただしこの数字を使う際は3点に注意してください。①これは旧スコア(20〜80点)時代の数値で、現行のGSEスケールとはそのまま比較できません。②2018年度・モニター中心の限定的なサンプル(約3,500人)であり、全受験者の統計ではありません。③現行のGSEスケールでの日本人平均は公式には公表されていません。
とはいえ、当時の分析が示すように、日本人受験者はVERSANTのようなスピーキング試験で平均的に低めのスコアになりやすい傾向自体は変わっていないと考えられます(母語との構造差、スピーキング学習機会の少なさなどが要因として指摘されます)。これは「自分だけができない」わけではなく、構造的にスコアが伸びにくい母語話者集団に自分が属しているというだけの話です。悲観する必要はありません。対策次第で十分に基準点は超えられます。
目標スコアから逆算した対策の組み方
目標スコアが決まったら、次にやるべきは「どのパートに練習時間を配分するか」を決めることです。全パートを均等に伸ばそうとするより、型を覚えることで対策効果が出やすいパートに時間を集中させるほうが効率的です。具体的なパート別の対策はVERSANTパート別攻略(A〜F)、期限が迫っている場合の逆算プランは短期対策プランを確認してください。
まずは実際の問題形式に触れて、自分が今どのくらいのレベルにいるかを体感するのが最初の一歩です。無料のお試し問題から始められます。
※GSE↔CEFR対応表・スコア移行時期はPearson社/ピアソン・ジャパン公式資料に基づきます。「47点」「日本人平均約38点」は日本経済新聞社(旧販売元)の2019年5月14日付プレスリリース(2018年度リポート、モニター受験者約3,500人分のデータ)に基づく旧スコア時代の参考情報で、現行GSEスケールでの公式な横断データではありません。正確な基準は必ず受験案内・公式サイトでご確認ください。